英語のリスニングが得意な人と、苦手な人。
英語学習については、「言語は才能ではない」「勉強すれば誰でも上達する」という話を聞くことがあります。
その一方で、私は、人間には得意なことと不得意なことがあると思っています。
もちろん言語学においてもです。
先日、日経新聞で外国語の習得と聴覚の精度に関する研究が紹介されており、以前から私自身が考えていたことと重なる部分もあったため、興味深く感じました。
今回は、英語のリスニング能力と才能には関係があるのかというテーマについて、研究の内容と、私自身が仕事で英語を使うなかで感じていることをお話しします。
この記事でお伝えしたいこと
- 英語のリスニングと聴覚の精度に関する研究
- 英語の習得にも得意・不得意があるのではないかという考え
- 苦手な英語と、これからどう向き合っていくか
Contents
英語のリスニング能力と聴覚の精度には関係がある?
2026年10月26日の日経新聞に、次の記事が掲載されていました。
「外国語上達、聴覚で差 音の聞き分け精度が関与 英UCLや東北大」
英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)や東北大学などの研究グループによる、外国語の習得と聴覚の精度に関する研究です。
研究では、聴覚の精度によって、外国語の音を処理する際の脳の活動に違いが見られたそうです。
研究概要|聴覚の精度による脳活動の違い
研究グループは、日本人英語学習者を対象に、聴覚の精度と外国語の音を処理する際の脳活動の関係を調べました。
- 聴覚の精度が高い学習者:外国語の音を、すぐに言葉として処理せず、音響情報そのものとして分析する傾向が見られた。
- 聴覚の精度が低い学習者:外国語の音を処理する際、すでに身につけている日本語の発音に関わる脳の仕組みを、より強く利用する傾向が見られた。
こうした脳活動の違いが、外国語の音を習得する際の個人差に関係している可能性が示されています。
聴覚の精度が高い人は、外国語の音を音響情報として分析する傾向があり、一方で、聴覚の精度が低い人は、聞こえた音をすでに知っている日本語の発音に当てはめて理解しようとする傾向が見られたとのこと。
こうした違いが、外国語の習得における個人差に関係している可能性があるそうです。
私がこの記事を読んで感じたのは、やはり英語のリスニングにも、人それぞれ得意・不得意があるんだな……ということです。
ただし、この研究だけで、リスニング能力が生まれつき決まっていると証明されたわけではありません。
それでも、音を聞き分ける能力の違いが外国語の習得に関係しているという内容は、以前から自分が考えていたことと重なる部分があり、興味深く感じました。
英語の上達は努力だけで決まるのか
英語の勉強をしていると、「言語は才能ではない」という話を聞くことがあります。
例えば、アメリカで生まれ育った人であれば、幼い頃から自然と英語を話せるようになります。
だから、言語は特別な才能がなくても身につけられる。勉強すれば、その分だけ上達するという考え方です。
私も、努力によって英語力が伸びるという点には同意しています。
ただ、人間には何事にも得意・不得意があると思っています。
運動が得意な人もいれば、苦手な人もいます。数学が得意な人もいれば、国語が得意な人もいます。
言語についても、同じようなことがあるのではないでしょうか。
特に、幼少期から自然に母語を身につける場合と、大人になってから外国語として英語を学ぶ場合では、状況が違うと思います。
大人になってから英語を勉強する場合、耳から入ってきた音を自分なりに認識し、理解して、発音する必要があります。
自然に身につくのとは異なり、意識的に学ぶ必要が少なからず出てきます。
その学習過程で、音を聞き分けることが得意な人と、そうでない人では、英語のリスニング能力の向上にも大きな違いが出てくるのではないかと考えていました。
英語のリスニングと音楽の得意・不得意は似ている?
少し話は変わりますが、私は以前から、英語のリスニング能力には音楽の得意・不得意と似た部分があるのではないかと思っていました。
例えば、音楽を聞いて同じように歌っているつもりでも、音程がずれてしまうことがあります。
リズムについても同じです。
本人としては、聞いた音をそのまま再現しているつもりでも、実際には音程が少しずれている。
音楽があまり得意ではない方には、共感していただけるのではないでしょうか。
もちろん、音楽の音程やリズムを捉える能力と、外国語の音を聞き分ける能力が同じものなのかは分かりません。
ただ、聞いた音をどれだけ正確に認識するかという点では、似た部分があるのではないかと思っています。
英語についても、自分では聞いたとおりに発音しているつもりでも、実際には違う音になっていることが頻繁にあります。
そのインプット(リスニング)と、実際のアウトプットのずれが、英語力の向上を残念ながら遅らせてしまっているのではないか、という考え方です。
こうしたことを以前から考えていたので、今回の研究を読んで、やはり音を聞き分ける能力の個人差は英語力と重要な関係性があると感じました。
(ただし、厳密には今回の研究で示されたの内容は、聴覚の精度の違いと、外国語音を処理する際の脳活動の違いとの関係です。)
私自身が以前から感じていた「耳の良さが英語学習に影響するのではないか」という疑問を考えるうえで、とても興味深い内容でした。
英語の発音を同僚から指摘された私が考える勉強法
では、私自身はどうなのか。
現在、私は仕事で英語を使う必要がある環境にいます。
一方で、耳で聞いた英語の音をそのまま認識して、発音することはあまり得意ではないと感じています。
実際、同僚から英語の発音について指摘されることもあります。
「Japanese English(日本語的な英語)になっている」といじられること多々。
発音だけでなく、音の強弱があまりなく、全体的に平坦に聞こえると言われることもあります。
こうした経験もあって、私は英語を耳で聞いて慣れるだけでは、なかなか改善できない部分もあるのではないかと感じています。
もちろん、英語を繰り返し聞いて慣れることも大切ですが。
ただ、ある程度の年齢になってから英語を勉強するのであれば、発音の仕組みを知識として理解することも必要なのではないかと考えています。
リンキングや音の脱落を知識で補う
そこで最近、リンキングや音の脱落を知識で補うことを試みています。
例えば、英語には単語と単語の音がつながる「リンキング」があります。
また、音が脱落したり、弱くなったりすることもあります。
こうした音の変化を、耳で聞いて自然に理解できれば、それに越したことはありません。
ただ、私の場合は、なかなかそれができていないのではないかと思っています。
英語を聞いたまま発音しているつもりが、なぜか口に出すとテンポがどんどん遅れていくことも多々あります。
だからこそ、英語の音がどのようにつながるのか、どういう場面で音が脱落するのかといったルールを、知識として学ぶことに決めました。
そして現在、まさに毎日ディクテーションに取り組んでいます。
最近取り組んでいる英語学習
- 毎日のディクテーション
- リンキングや音の脱落など、英語の音声変化の理解
- AIを活用した、一文ずつの確認
耳で聞いただけでは理解できない部分を、知識で補っていく。
そうすることで、少しずつ英語のルールや音を学ぶことができ、
「なぜこれまで何度も聞いても分からなかったのか。改善すべきポイントはどこなのか」
ということが、最近やっと把握できるようになってきました。
恥ずかしながら、基本的な内容ではあるものの、リスニング音源を聞いているだけでは一生気が付かなかった気がしています。
具体的な学習方法については、また別の機会にお話しできればと思いますが、AIを活用しながら一文一文チェックするようにしています。
まとめ|才能に差があっても、必要なら努力するしかない
この記事のまとめ
- 外国語の習得には、音を聞き分ける能力の個人差が関係している可能性がある
- 「聴覚精度の差」は英語学習者にとって重要な要素の一つ
- 才能のギャップを埋めるための努力は、英語学習者にとって大切
得意なことだけをやって生きていくというのも、一つの考え方だと思います。
ただ、仕事で必要だったり、自分が将来こうなりたいと思う姿があったりすると、苦手なことにも向き合わなければならない場面があります。
私にとって、英語はまさにその一つです。
仕事で英語を使う必要がある以上、英語力を改善していくことは必要不可欠です。
たとえ、もともとの得意・不得意に差があったとしても、目標のために必要なら歯を食いしばって努力する。
今回の新聞記事を読みながら、リスニングが不得意な自分自身を客観視し、そんなことを改めて感じました。
具体的な学習方法までお話しできませんでしたが、そのあたりはまた次回以降に紹介できればと思います。
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