5000mを16分台(17分切り)で走りたいという皆さんは、
競技に真剣に打ち込まれている方が多いかと思います。
「17分台は簡単に出せたけど、16分台はなかなか出せない・・・。」
「周囲に16分台を持っている人がいないから、練習メニューを知りたい。」
このような悩みを持つ皆さんに、16分台で走った経験がありかつチームメイトを16分台まで引き上げた経験のある私からアドバイスを送りたいと思います。
17分台まできた方なら、あと少しの努力で必ず16分台を出せます。
悩んでいる方が結果を出す手助けになれれば幸いです。
5000m16分台の難易度
5000mを16分台で走るレベルってどの程度のレベルなのか、解説していきたいと思います。
[5000m16分台のレベル]
- マラソン大会なら上位1.8%
- 高校生なら県大会出場が見えてくる
16分台は上位1.8%
5000mを16分台で走る市民ランナーってどの程度のレベルなのか、特に市民ランナーの方だとイメージが沸きにくいですよね。
「2018年仙台国際ハーフマラソンの5000m男子の部」の結果を見てみると、だいたい上位1.8%に該当します。(完走者972名、16分台達成者18名)
ちなみに8位の選手が16分01秒ということで、16分台に到達すると大きな大会の入賞が少し見えてきます。
(実際、そこまで規模の大きくない地方の大会では、16分台でも入賞することもよくあります)
非常にレベルが高いかと思います。
(特に仕事と両立しながら達成するためには惜しみない努力が必要です。)
5000mをイーブンペースで走るとしても、16分台達成のためには1000m毎の通過タイムを、
1000m 3分24秒
2000m 6分48秒
3000m 10分12秒
4000m 13分36秒
5000m 17分00秒
より少しでも早く走らないといけません。
現実的には3分24秒ペースで終始走ることは大変厳しいので、序盤はもう少し早いペースで走る必要が出てきます。
すなわち、16分台達成のためには「スピード」が重要になることが分かるかと思います。
高校生なら県大会出場が見えてくる
高校生で16分台を達成すると、少しずつ県大会出場が見えてくるレベルです。
私のイメージでは、
中堅高校→メンバー入りできる
弱小高校→エース級
になれるレベルかと思います。
高校生の方は身近に16分台で走る仲間も比較的多いかと思いますので、16分台のスピード感はイメージしやすいとかと思います。
5000m16分台達成に大切な2要素
16分台と17分台の選手で大きく差がある要素として、スピードとスピード持久力が挙げられます。
私が今まで見てきた16分台に到達できない選手の多くは、圧倒的にスピードが足りません。
きっと、この記事をご覧の皆さんの中にも自覚のある方が多いのではないでしょうか。
「3分24秒をリラックスして走るなんて考えられない・・・。」
「1000mが3分切れない。」
このような感覚を持ってしまっている方は、確実にスピード不足です。
練習方法については後述しますが、まずはスピードを上げる練習を取り入れていきましょう。
スピード持久力に関しては、ある程度のスピード感が必須になります。
例えば、1000m3分24秒で走る場合を考えてみましょう。
1000mの自己ベストが3分15秒の選手と3分00秒の選手では、もちろん後者の選手の方が余裕を持って1000m3分24秒走れますよね。
このようにスピードをつけることで、レースペースに対して余裕度が増しスピード持久力は自然と出てきます。
また、スピード強化の一環として強度の高い練習も増えてくるかと思うので、強度を上げることで自然とスピード持久力の向上も期待できます。
なので、まずはスピード強化にフォーカスして練習に取り組むようにして下さい。
・5000m16分台のレベルは上位1.8%and高校総体県大会出場が視野に入ってくる
・スピードとスピード持久力を意識する
5000m16分台を達成する練習メニュー
先程も言及したように、16分台到達のためには「スピード」が重要になります。
またスピード持久力の強化もポイントに挙げましたが、こちらに関してはスピード強化の過程で確実に向上できると筆者は考えています。
実際取り組んで頂きたい練習メニューはこちらになります。
[具体例]5000m16分台達成の練習メニュー
- インターバル1000m×5本 目標タイム:3分20秒
- インターバル400m×12本 目標タイム:76~78秒
- ペース走8000m~12000m 目標タイム:3分45~50秒
- 3000m走 目標タイム:9分50~55秒
- 筋トレ
1つずつ説明していきたいと思います。
インターバル1000m×5本 目標タイム:3分20秒
1000mインターバル | |
距離 | 1000m |
本数 | 5本 |
タイム | 3分20秒 |
繋ぎ | 200 or 400m |
スピード強化する上で最重要となるのが、1000mのインターバルです。
本数は、5000mのレースを意識して5本が良いかと思います。
ペースについては、5000m16分台で走るためには1000m3分24秒のスピードで連続して走る能力が求められるので、それより少し早い3分20秒を意識して走りましょう。
また、ラスト1本は全力で走り力を出し切るようにして下さい。
繋ぎは、基本的には200mjogを推奨します。
しかし、まだ3分20秒で走る力が足りない方は、繋ぎのjogを400mにしてスピードを意識するようにして下さい。
私の元チームメートで14分台を持っている選手が、
「1000mインターバルはスピード落ちたら全く意味が無い」
と言っていましたが、それぐらいスピードを意識して走ることが求められます。
インターバル400m×12本 目標タイム:76~78秒
400mインターバル | |
距離 | 400m |
本数 | 12本 |
タイム | 76~78秒 |
繋ぎ | 200m |
先程、1000mのインターバルを紹介しましたが、1000m×5本をしっかりとこなせるか不安な方も多いかと思います。
まだ走力が足りずに1000mではスピードを上げることができない…。
そのような方にオススメなのが400mインターバルです。
400mインターバルのメリットは2点あると考えています。
①距離が短い分、スピードを出しやすい。
②練習を最後までやり遂げやすい=自信に繋がる。
(個人的には1000mインターバルより400mインターバルの方が練習を最後までこなしやすい印象があります。)
5000mを16分台で走るスピード感を身体に覚えさえることができるので、是非取り入れてみて下さい。
ペース走8000m~12000m 目標タイム:3分45~50秒
ペース走 | |
距離 | 8000~12000m |
タイム | 3分45~50秒/km |
8000~12000mのペース走も少し取り入れてみましょう。
距離に対して不安のある方は特にしっかり取り組んで下さい。
とは言いつつ、個人的には16分台を出す上でそこまでペース走は重要視していません。
理由としては、私の周囲で16分台に到達できない人の大多数は、スピードは足りなくても距離に対して不安を持っている人は非常に少ないように感じるからです。
すなわち、普段のジョグ等はしっかり行っており、16分台で走るだけのトレーニング量を積んでいる=脚はできているがスピードだけが足りない・・・という方が多いイメージです。
このような方にオススメなペース走の活用方法を2点挙げておきます。
①強度の高いトレーニング(インターバル等)の疲労度を考慮した繋ぎの練習
②少し早めのペースで6000~8000mのペース走(LT値向上)
3000m走 目標タイム:9分50~55秒
レペティション | |
距離 | 3000m |
タイム | 9分50~55秒 |
3000mのレペティション=タイムトライアルは、言ってしまえば練習試合のようなものです。
3000mを全力で走ってどの程度のタイムが出るか試してみましょう。
3000m全力走のタイムは、5000mをどれぐらいのタイムで走れるかのだいたいの指針になります。
集中して臨むようにして下さい。
個人的には、2000mまではリズム良く走り、残り1000mでペースを上げるイメージを持つと良いかと思います。
3000mを9分50~55秒で走るためには、3分18秒/kmぐらいのペースが求められますが、序盤から力んで走ってしまうと100%最後までもちません。
したがって、2000mまでは絶対にリラックスしてペースを刻むイメージを持って下さい。
(本番は3000mまでリラックスして走ることが求められます。)
ちなみに、3000m9分50秒で走る力があれば確実に16分台は出ます。
筋トレ
筋トレに関しては、色々な意見があるかと思いますが、個人的には必要だと考えています。
というのも、16分台レベルで走るためにはスピードが重要になってきますが、筋力が弱すぎるとスピードは出てきません。
特にあまり筋力がないタイプの人は必ず行うべきです。
トレーニングを始めて割と早い段階で筋トレの効果を実感できるかと思います。
実際、私も筋力が無いタイプでしたが、筋トレを始めてから面白いようにタイムが伸びました。
部位ごとの筋トレの効果はこちらになります。
腕:後半もしっかりと腕振りができる=スピード持久力の向上。
上半身:フォームが安定する。
下半身:速いスピードに対しても、力まずに走れるようになる。
ポイント
5000m16分台で走れるスピードを意識しながら練習しよう!
レースプラン for 5000m16分台達成用
5000m16分台で走るためには、レースプランも重要になります。
意識するべき3つのポイントを紹介したいと思います。
5000m16分台達成に大切なレースプラン
- 3000mは10分00~05秒で通過
- 3000~4000mは我慢の時間
- ラスト1000mはガムシャラに上げるべし
順を追って紹介していきたいと思います。
3000mは10分00~05秒で通過
まず、5000mのレースは最初の3000mと後半の2000mに分けてレースプランを立てましょう。
その上で、3000mをどれぐらいのタイムで通過するかは非常に重要になります。
正直言って、この3000mの通過が遅すぎるとほぼ間違いなく16分台達成は厳しい状況となります。
ズバリ5000m16分台で走るために求められる3000m通過タイムは10分00~05秒です。
3000mを10分00秒で通過し場合と10分05秒で通過した場合のレース展開を具体的にイメージしてみましょう。
例1、3000m10分00秒で通過(通常タイプ)
レースの流れとしては、
1000m 3分20秒
2000m 6分40秒(3分20秒)
3000m 10分00秒(3分20秒)
4000m 13分30秒(3分30秒)
5000m 16分55秒(3分25秒)
()内は1000毎ラップタイム
3000m10分00秒で通過しても16分台を出す上では、ギリギリであることが分かるかと思います。
例2、3000m10分05秒で通過(持久タイプ)
レースの流れとしては、
1000m 3分21秒
2000m 6分43秒(3分22秒)
3000m 10分05秒(3分22秒)
4000m 13分31秒(3分26秒)
5000m 16分55秒(3分24秒)
()内は1000毎ラップタイム
先程の例1と比べて3000mの通過が5秒遅くなっただけですが、後半の落ち込みをしっかり抑えないと5000m16分台の達成が厳しくなってきます。
今回紹介した2つの例からも分かるよに、3000m通過タイムは10分00~05秒を必ず死守しましょう。
これより遅いペースで通過して後半巻き返すのは、正直無理があります。
ちなみに、私は「例1、3000m10分00秒で通過(通常タイプ)」のレース展開をオススメしています。
余程後半に自信がある場合は、「例2、3000m10分05秒で通過(持久タイプ)」でも大丈夫ですが、私の周囲では基本的には通常タイプのレース展開で16分台を達成している人が多いように感じます。
5000m16分台が描くレース展開
先程紹介した2つの例を見て、少し違和感を感じた人も多いのではないでしょうか。
「例1、3000m10分00秒で通過(通常タイプ)」
「例2、3000m10分05秒で通過(持久タイプ)」
3000mから4000mでタイムがガクッと落ちているのに、ラスト1000mでまたタイムが上がっている…。
そのような方のために5000m16分台の方が描くレースのイメージを共有していきたいと思います。
スタート~3000m
余裕を持ってリズムで走る。基本的に一定のペースで走る。
3000~4000m
一番苦しいところ。ペースを上げているつもりでも、ラップタイムが1kmあたりで10秒程度落ちることもある。ここで気持ちを切らすと、ほぼ自己ベストは出ない。
逆に言うと、3000~4000mしっかり我慢することができれば5000mのトータルタイムはかなり期待することができる。
4000~5000m
ラスト1000mでタイムが上がっていることに疑問を感じる方も多いかと思いますが、16分台レベルになるとこのようなレース展開が多くなります。
(たぶん17分台の選手だと、2000m以降ペースが下がるor一度ペースダウンしたらそのままズルズルいってしまうという人が多いかと思います。)
ラスト頑張れば5秒程度削れることもあります。
腕を振って「1秒を削り出す」という意識で走り切りましょう。
ポイント
・3000mまではリズムを意識してリラックス
・3000~4000mは我慢の時間帯→ここを耐えれば好タイムが期待できる
・4000~5000mは腕を振って前への推進力に変える
後半のペースダウンを防ぐアイテム
レース後半の「粘り(=ペースダウン防止)」を出すために、腰ベルトの着用がオススメです。
高校生、大学生などのトップ選手が腰に巻いて使用しているのを見たことがある人も多いかと思います。
↓こんな感じのベルトです。
私も高校生の頃から愛用していますが、腰ベルトを使用することで次のメリットを感じています。
ポイント
腰ベルトのメリット
・フォームを腰高にしてくれる。
→腰高になることでストライドが自然に伸びる。
・後半のフォームの安定感UP。
→物理的にフォームの左右へのブレ、「前傾」や「後傾」姿勢になることを防ぎます。
・腰回りのサポート(怪我防止)
後半ペースを落とさないためには、安定したフォームを維持することが重要ですが、腰ベルトは理想的なフォームを保つサポートをしてくれます。
(理想的なフォーム:腰高、ストライド広い、状態のブレ少ない)
実際に、私は体幹が弱くレース後半「前傾姿勢」になってしまうことが弱点でしたが、腰ベルトを使用することで以前に比べ綺麗なフォームを維持できるようになりました。
また身体の負担も軽減できるので、16分台という競技者レベルを目指すあなたの怪我予防にも繋がるのはうれしいポイントですよね。
後半のフォームの乱れや腰回りの故障に苦しんでいるランナーは、一度腰ベルトを使用してみて下さい。
まとめ
- 16分台は競技者レベル
- スピードが重要
- レースにおける3000m通過は10分00~05秒を意識する
今回は5000m16分台達成のために必要なノウハウをまとめてみました。
普段の練習ではこれまで以上に「スピード」を意識するようにしましょう。
その継続により、16分台のスピード(3分20秒/km)をリラックスして出せるようになるかと思います。
私は、強豪校出身な訳ではないので、沢山の16分台を目指しているチームメートを見てきました。
そして、16分台を達成できた選手と17分前半で止まってしまった選手の違いは、間違いなく「スピード」だと感じる機会が多々ありました。
私自身も17分台から16分台に初めて行ったときは、なんとも言えない嬉しさを感じたことを今でも忘れられません。
是非、5000m16分台を目指している皆さんが同じような達成感に包まれることを願っています。
ランニング時間を有効活用する方法↓
-
[ランニング×オーディブル]ランニング歴12年の私が見つけた最高のINPUT方法の勧め(適正診断付き)
走るモチベーションを上げてくれる名作↓
練習強度が上がると故障のリスクも増えますので、身体のケアも重要です↓
「ランニング」疲労回復方法4選
16分30秒切りを目指す方はこちらです↓
【ランニング/陸上競技】5000m16分30秒突破方法~練習メニュー+レースプラン~(タイム公開付き)