これから5000m17分台(18分切り)を目指そうとしているあなたは、ここまで多くの時間を「走ること」に費やしてきたのではないでしょうか。
まずは、18分台達成おめでとうございます!
まだ達成できていない方はこちらの記事も参考にどうぞ↓
【ランニング/陸上競技】5000m18分台で走る方法(練習メニュー付き)
ここまで来ると、いよいよトップ市民ランナーの仲間入りしてくるレベルですよね。
ただ、これって逆説的に言うと、5000m17分台で走れる仲間が周囲に少ない=練習等に関する情報を共有しにくくなるってことでもあります。
ということで、実際に17分台(18分切り)で走った経験のある私の方からアドバイスしていきたいと思います。
私のランニングプロフィール
- 学生時代は陸上競技(長距離)に励む
- 箱根駅伝予選会に出場経験あり
- 現役引退後は数年間運動なし→5分間のジョギングがきつくなる→そこからマラソン大会出場※競技者とは違った視点でランニングの楽しさを学ぶ
具体的なアドバイス内容はこちらになります。
チェックリスト
- 練習メニュー
- レース展開
- 私が初めて17分台(17'41)で走った時の経験
「17分台を目指そう!」と強い気持ちを持っているあなたが、次のレベルを達成するための何か手助けになれれば幸いです。
ポイント
・練習強度を少しずつ上げていこう
・1000mを3分15~20秒程度で走れるスピード感
・レースにおける3000m通過は10分35秒を意識する
5000m17分台の難易度
毎回恒例になってきましたね!これから目標とするタイムがどの程度のレベルなのかチェックしていきましょう^^
それでは、5000mを17分台(18分切り)で走るレベルってどの程度のレベルなのか、解説していきたいと思います。
[5000m17分台のレベル]
- マラソン大会なら上位3.4%
- 高校生は県大会出場を目指す上での第一歩
17分台(18分切り)は上位3.4%
5000mを17分台で走る市民ランナーってどの程度のレベルなのでしょうか。
「2018年仙台国際ハーフマラソンの5000m男子の部」の結果で確認してみると、だいたい上位3.4%に該当します。(完走者972名、17分台達成者34名)
18分台で走ると上位5.3%というお話を前回しましたが、
17分台では上位3.4%に入ることができます。
これを考えると、周囲に17分台ランナーがあまりいないことも納得できますよね。
5000m17分台の特徴としては、なんと言っても「スピード」がさらに上がるのがポイントかと筆者は考えています。
このスピード感に対応できるかで、目標達成できるか否かが大きく異なってきます。
5000mをイーブンペースで走るとして、17分台達成のためにはどのようなラップタイム(1000m毎の通過タイム)で走れば良いのでしょうか。
1000m 3分36秒
2000m 7分12秒
3000m 10分48秒
4000m 14分24秒
5000m 18分00秒
より少しでも早く走らないといけません。
18分台達成が3分48秒で走れば良かったので、1000mあたり更に12秒も早く走る必要があります。
個人的に、この3分48秒→3分36秒のスピードアップは、しっかりとトレーニングする必要が出てくるレベルだと考えています。
ただ闇雲に走っていても厳しいと思いますので、「具体的な目標」を持って練習に励むようにしましょう。
高校生:県大会出場を目指す上の第一歩
高校生で17分台だと、少しずつ走れるようになってきたかな・・・というレベルでしょうか。
中堅高校では、駅伝メンバーにギリギリ入れるか入れないかぐらいです。
そんなレベルか・・・と落ち込む方もいるかもしれませんが、安心して下さい。
17分台を出すと、「5000m走」をどのようなイメージで走ったら良いのか、自分の中の型のようなものが少しずつ見えてきます。
この型が分かってからは、あなたの成長スピードも一気に上がってきます。
そういった意味で、5000m17分台で走れるようになることは県大会出場を目指す上での第一歩だと筆者は考えています。
5000m17分台達成するならスピードを磨くべし
前回5000m18分台(19分切り)を目指す上で、自分のタイプを知ることは非常に重要だというお話をしました。
あなたは、スピード型orスタミナ型のどちらでしたか?
人によっては、特に意識せずにトントン拍子で18分台を達成できたかもしれません。
ただ、ここからはどんどんスピード感が上がっていきます。
次の2つを比較してみて下さい。
①1kmを4分00秒→3分45秒にペースアップ
②1kmを3分45秒→3分30秒にペースアップ
どちらも同じように15秒早く走っていますが、断然②の方が身体に負担がかかります。
言い換えれば、①に比べて②の方が沢山練習して身体を鍛えないと達成できないということです。
これはLT値というものが大きく関係しています。
聞いたことがある人も多いかと思います。
LT値について簡単に説明すると、人間は運動強度を上げていくとどこかで急激に疲れやすくなるポイントがあります。
このポイントをLT値と言います。
(詳しく知りたい方はググってみて下さい。)
なので、5000m17分台で走るためにはこのLT値を引き上げる必要が出てきます。
(普段、市民ランナーがジョギングするペースに比べると5000m17分台のスピードは非常に速いですしね。)
ということで、この急激に疲れてしまうポイントを引き上げるためにも、基本スピードの向上をはかることを意識して下さい。
特に長年、5000m17分台に挑戦しているけど達成できていない方は、スピードを上げる練習に是非取り組んでみて下さい。
ポイント
・5000m17分台のレベルは上位3.4%
・スピードUPを限界値を引き上げよう
5000m17分台(18分切り)を達成する練習メニュー
5000m17分台で走るために必要な練習方法は、基本的に5000m18分台(19分切り)のメニューと変わりません。
(前回もお話しましたが、私の周りの14分台ランナーも同じメニューを本数や距離、そして設定タイムを変更しながら行っています。)
ということで、練習メニューと設定タイムについて紹介します。
[具体例]5000m17分台達成の練習メニュー
- インターバル1000m×5本 目標タイム:3分30-35秒
- インターバル400m×12本 目標タイム:84秒
- ペース走8000m 目標タイム:3分45-50秒
- 3000m走 目標タイム:10分25-30秒
1つずつ説明していきたいと思います。
インターバル1000m×5本 目標タイム:3分30-35秒
1000mインターバル | |
距離 | 1000m |
本数 | 5本 |
タイム | 3分30-35秒 |
繋ぎ | 200 or 400m |
5000m17分台で走るためには、レース中は常に3分36秒より早く走ることが求められます。
これを念頭に置いて、どんなに崩れても3分35秒以内で走り切るイメージを持ちましょう。
前回の【ランニング/陸上競技】5000m18分台で走る方法(練習メニュー付き) - やーまの日常の記事でも書きましたが、繋ぎは200m or 400mで行ってください。
1000mのインターバルはスピード感を大切にしてほしいので、200m繋ぎでメニューをこなすことが厳しい場合は、迷うことなく400m繋ぎの練習に切り替えましょう。
身体でスピード感を覚えてきたら、少しずつ繋ぎのスピードや距離を工夫して練習の強度を上げていって下さい。
私の周囲で17分台を目指すランナーに多く見られるのが、後半急激にペースが落ちるパターンです。
これから17分台を目指すランナーの多くは、1000mを2-3本でしたらしっかりこなせる走力を持ち合わせています。
しかしながら、1000mインターバルの4本目以降がとにかく粘れない・・・という方も多いのではないでしょうか。
この後半タイムを落とさないことが、5000m17分台達成する上で重要な要素となります。
逆に言うと、この後半を粘り強く走れるようになれば5000m17分台はすぐに達成できます。
後半粘ることを意識して練習してみて下さい。
ちなみに、1000mいっぽんを全力で走る場合は、3分15-20秒程度で走れるスピードがあれば十分かと思います。
インターバル400m×12本 目標タイム:84秒
400mインターバル | |
距離 | 400m |
本数 | 12本 |
タイム | 84秒 |
繋ぎ | 200m |
1km3分36秒ペース=86秒/400mというのが5000m17分台で走るために必要な最低限のペースです。
ということはこれより早いペースで走る練習をしないといけません。
スピード感を一番感じることができる400mインターバルを、84秒/400mで行ってみましょう。
(200mインターバルもスピード感を出すことができますが、我慢して走る練習も兼ねると400mインターバルを筆者はオススメしています。)
前半は力まずにリズムで走るイメージを持って下さい。
後半はきつくなってくるかと思いますが、前半体力を温存した分、なるべくフォームを保ちつつ全力で粘って下さい。
ペース走8000m 目標タイム:3分45-50秒
ペース走 | |
距離 | 8000m |
タイム | 3分45~50秒/km |
8000mのペース走は、
①脚作り
②スタミナ強化
の面より重要になってきます。
このペース走の設定タイムを見て、あなたはどのように感じましたか。
もしかすると、普段から距離を踏まれている方にとっては「容易」に感じたかもしれません。
そのような方は、ペース走に関しては自分でアレンジを加えてみて下さい。
具体的には、距離を伸ばすかタイムを早くすることになるかと思います。
もし、あなたが「スピード感」に苦手意識を感じているのであれば、迷わずペースを上げてLT値の引き上げをはかってみましょう。
3000m走 目標タイム:10分25-30秒
レペティション | |
距離 | 3000m |
タイム | 10分25~30秒 |
3000m走は練習試合のようなものです。
この出来次第で、5000m走の現状の走力をある程度はかることができます。
(大切なことなので、毎回書いています。)
5000m17分台で走るためには、3000m10分25-30秒で走り切る力が必要です。
具体的には、
スピードタイプ:10分25秒
スタミナタイプ:10分30秒
を目標として下さい。
こちらの詳しい理由に関しましては、後述してあります。
ポイント
5000m17分台で走るためにはスピードを意識!
レースプラン for 5000m17分台達成用
5000m17分台で走るために、レース中意識して頂きたい点を紹介します。
[レース重要事項]
- 暑くない月にエントリーする。
- レース中は周囲の人の力を利用する。
- 疲労はレース前にしっかりと抜いておく。
- 3000mまではリラックスして走る。←New
- ラスト1000mで10秒変わる意識を持つ!←New
(上3項目については、以前の5000m20分切り達成の記事にて紹介済み)
3000m通過は10分35-40秒
何度もお話しているように、5000m走でまず重要になってくるのが3000mの通過です。
5000m17分台で走るためには、3000m通過タイムの目安として次のタイムを意識するようにして下さい。
スピード型:10分35秒
スタミナ型:10分40秒
ここで、遅れてしまうと後半巻き返そうと思っても相当厳しいので、なんとか上記タイムを守って3000m通過するようにして下さい。
1000mあたりのタイムで言ったら、3分30~33秒ですね。
3000mまではリラックスして走る
先程3000m通過の目標として、
スピード型:10分35秒
スタミナ型:10分40秒
と提示しましたが、こちらのタイムは死守するようにして下さい。
そして、全力を出し切ってはいけません。余力を持ち(リラックスして)通過しなくては5000m17分台は見えてきません。
というのも、上記のタイムで3000m通過したとしても、フィニッシュタイムは17分台ギリギリになることが予想できるからです。
具体的に3000m10分35秒(スピード型)で通過した場合を考えてみましょう。
例:3000m10分35秒で通過した場合
レースの流れとしては、
1000m 3分31秒
2000m 7分03秒(3分32秒)
3000m 10分35秒(3分32秒)
4000m 14分15秒(3分40秒)
5000m 17分55秒(3分40秒)
()内は1000毎ラップタイム
3000mの通過後、タイムを1000mのラップで8秒ずつ落とす場合をシミュレーションしてみました。
あんなに3000m通過が速かったはずなのに、実際はかなりギリギリで17分台ですよね。
次に3000m10分40秒(スタミナ型)で通過した場合を考えてみましょう。
例:3000m10分40秒で通過した場合
レースの流れとしては、
1000m 3分33秒
2000m 7分06秒(3分33秒)
3000m 10分40秒(3分34秒)
4000m 14分20秒(3分40秒)
5000m 17分59秒(3分39秒)
()内は1000毎ラップタイム
スタミナ型の選手は、後半タイムをなるべく落とさずに粘るようなレース展開になるかと思います。
3000mを10分40秒で通過しても、フィニッシュタイムはギリギリ17分台にのるかのらないかぐらいになります。
今回2つのレース展開を例として挙げましたが、どちらにしろ後半粘り強く走れなければ5000m17分台達成は厳しいと考えて下さい。
もちろん、根性論も大切ですが気持ちだけではどうにもならないこともあります。
したがって、3000m通過はある程度リラックスして迎えられるようにしましょう!
ラスト1000mで10秒変わる意識を持つ
ラスト1000mの頑張りが17分台達成の可否に大きな影響を与える可能性があります。
何故かと言うと、ラスト1000mでフィニッシュタイムが10秒前後変わると筆者は考えているからです。
具体的に見ていきましょう。
・ラスト1000mで気を抜いた(同じペースで走ろうとした)場合
1000m毎のラップタイムが5~10秒ぐらい平気で落ちてしまいます。
・ラストスパートでペースアップしようとした場合
1000m毎のラップタイムを5秒程度削れる可能性があります。
この意識の違いによって、フィニッシュタイムが10秒程度変わってくることが分かるかと思います。
これぐらい大切なラスト1000mなので、あなたが持っている力は全て出し切るようにしましょう。
ポイント
・3000通過→スピード型:10分35秒、スタミナ型:10分40秒
・リラックスして3000m通過する
・ラスト1000mで10秒変わる意識を持つ!
私の初17分台
私が初めて17分台で走った時の経験をシェアしたいと思います。
メモ
レースラップタイム
1000m 3分17秒
2000m 6分48秒 (3分31秒)
3000m 10分22秒 (3分34秒)
4000m 14分00秒 (3分38秒)
5000m 17分39秒 (3分39秒)
()内は1000m毎のラップタイム
この時は、最初早く走り過ぎてしまって、後半本当にきつかった記憶があります。
ラスト頑張ってスピードを上げたつもりだったのに、1000m毎のラップタイムは一番遅いですよね。
実際、まだ走力的にラスト1000mでしっかりと上げる力がなかったのかなぁ・・・と今は思います。
ということで、ラスト1000mでラップタイムを上げることは相当厳しいことです。
実際、あなたと同じように17分台達成を目標として走っていた私がそのように感じていたので、これから17分台達成しようとするあなたにとっても相当きついはずです。
ですが、気持ちだけは必ず「ペースアップ」のスイッチを入れるようにして下さい。
この気持ちがあれば、実際にペースアップできなくても、タイムロスを最小限にとどめることができます。
まとめ
- 5000m17分台は上位3.4%%
- 3000通過→スピード型:10分35秒、スタミナ型:10分40秒
- ラスト1000mで10秒変わる意識を持つ!
長い記事になりましたが、最後までご苦労様でした。
練習メニューに関しては、私が紹介したタイムを1つの目標として取り組んでみて下さい。
この練習メニューをこなせるようになれば、ほぼ間違いなく5000m17分台は達成できます。
また、5000m17分台というレベルになってくると、「競技者」により一層近付いてきます。
それは、すなわち「気持ち」の面も重要になってくるということです。
「苦しい時のもう一歩」を日々の練習から大切にするようにして下さい。
冒頭でもお話しましたが、5000m17分台は決して簡単な目標ではありません。
しかし、その目標を達成することで得られる達成感は格別です。
あなたが、5000m17分台で走れることを心より願っています!
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